鹿島の自然にまつわる検定をつくる!『かしまネイチャープロジェクト』研究員
募集期間:2025年12月3日から2026年1月12日(月) 必着要確認
募集自治体
| 自治体名 | 鹿島市 |
|---|---|
| 所属課名 | 鹿島市役所 ラムサール条約推進室 |
| 担当者名 | 田中・室井 |
| 連絡先 | ramsar@city.saga-kashima.lg.jp |
企画の概要
佐賀県鹿島市より地域おこし協力隊『かしまネイチャープロジェクト研究員』を募集いたします。仕事の舞台はラムサール条約(※1)登録湿地である、有明海の干潟(肥前鹿島干潟)、とその周辺環境。業務内容は大きく3つあります。
① 鹿島市の自然の魅力を、張り切って体験、発掘しよう。
② たくさんの人がこの自然を体験学習したくなるような情報発信をしよう。
③ 継続性のある仕組みとして「ネイチャー検定(仮)」制度を構築しよう。(⇦主業務!)
自然と人の、その隙間をつなぐ業務です。私たちが愛するこの自然環境を大人も子どもも、もっとたくさんの人に知ってほしい、体験して、楽しんでほしい。そのための協力隊です。
イメージしている人物像は次⇩のようになります。
◎ 自然の中で活動することが好きな方
◎ 生き物が好きな方
◎ 人を楽しませる、喜ばせることが好きな方
◎ 知的好奇心があり新しいことを学ぶのが好き方
◎ 自然ゆたかな地域で暮らしたい方
「それは私です!」という方は、ぜひご応募いただければと思います。こちらは、佐賀県南西部にある鹿島市。東側は有明海、西側は多良岳山系に囲まれた地域固有の自然環境を育むこの町より、地域を愛する人たちの熱い想いに共感を寄せてくれる方をお待ちしております。担当は鹿島市環境下水道課・ラムサール条約推進室の室井、諸隈、田中です。被り物を被りながらで恐れ入りますがよろしくお願いいたします。
(※1)ラムサール条約:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約のこと。鹿島市にある肥前鹿島干潟は2015年に登録された。
左から、ワラスボ研究員こと室井、シオマネキ部長こと田中、クロツラヘラサギ研究員こと諸隈の3名が担当です。それぞれお気に入りの干潟の生き物を被っております。
絶滅危惧種のクロツラヘラサギが冬の到来とともに今年もやってきました。鹿島市では当たり前に見られる光景が、実は大変貴重なことです。
ミッション:鹿島の自然にまつわるネイチャー検定(仮)を制作する
ラムサール条約によって貴重な自然環境が守られている肥前鹿島干潟には、日本最大級の飛来数を誇るチュウシャクシギ、絶滅危惧種のクロツラヘラサギ、ズグロカモメ、ツクシガモなど、希少な渡り鳥が飛来します。
干潟の中には有明海の人気者ムツゴロウ(魚)、見た目がちょっと怖いワラスボ(魚)や、ユーモラスな動きのシオマネキ(カニ)がいます。また周辺の川では在来めだかを守る地域の活動があり(※2)、5月頃の水辺にはゲンジボタルが当たり前のように姿をあらわします。
私たち鹿島市の人々にとって、この自然環境はかけがえのない大切なもの。次代へと守りつないでいくためには、より多くの人に関心を持ってもらうための環境教育が欠かせません。そこで、今回協力隊となるあなたに協力をお願いしたいのが、ネイチャー検定(仮)の制作です。
楽しく遊びながら、自然と、自然を学べるツールになる検定づくり
検定の内容は、鹿島市の自然に関する知識や経験を確かめる小テストのようなもの。学術的な試験ではありません。楽しく遊びながら、自然と自然を学べるツールになることを目的とします。
難易度は3段階を想定しておりそれぞれの役割は次の通り。
初級:子どもや地域をはじめて訪れた人も気軽に参加できる
中級:もっと知りたい好奇心をかき立てる
上級:現地での体験を通して、自然を守る活動の交流者(参加者)や関係者の増加に貢献する
私たちラムサール条約推進室のメンバーも、希少生物の被り物を着用しての小学生向け環境教育プログラムや出前講座、あるいは地域の環境活動の支援など、環境教育には力を注いできました。引き続きこうした活動は継続しながらですが、ネイチャー検定(仮)をつくることによって、
・イベント時だけでなく、日常的かつ主体的に自然を学ぶ機会ができる
・市外からの訪問客にも手にとってもらい、鹿島市の自然の魅力をPRする機会ができる
・検定制作の過程で、鹿島市の新たな魅力を再発見して記録していく
などの効果を期待しています。どんな検定であれば、子どもたちや市外からの訪問客の方々により楽しく使ってもらえるでしょうか。私たちも一緒に楽しめるでしょうか。あなたのアイデア、ユーモア、個性を発揮していただければと思います。
(※2)地域の活動:生物多様性の保全に配慮しながら人と自然が共生する環境づくり。鹿島市の七浦音成地域では干潟とめだかの里を保全する『音成めだかの楽校』の活動が国の「自然共生サイト」に認定されました。
干潟の生き物、ムツゴロウ(左)とシオマネキ(右)。ユーモラスな魅力も、情報発信の材料に。
毎年6月頃に開催される『ガタリンピック』。「ガタスキー」や「人間ムツゴロウ」など干潟の特徴を活かした競技が行われます。これも人間と自然の共存関係です。
募集するのはこんな仕事
鹿島の自然にくわしくなり、その魅力を伝え広めていく
3年間で3段階の難易度のネイチャー検定(仮)を作成すること。その準備を兼ねて、日々刻々と表情を変える豊かな自然の中で暮らして感じたこと、魅力や感動をSNSへ発信していただきます。
具体的な仕事内容
① 鹿島の自然にまつわるネイチャー検定 (初級・中級・上級)の制作
❶ 検定のネーミングを考える、仕組みづくり
❷ 鹿島市の森・里・川・海・干潟の生物、有明海の知識習得につながる体験と取材
❸ 検定の問題を作成
❹ 小学生向け環境教育プログラムや出前講座等のサポート
❺ Instagram 等での情報発信 (イベント取材、鹿島の自然の魅力を動画で発信など)
❻ 教則本の作成
実施期間と頻度:環境プログラムは、6月から2月を想定。
※着任1カ月後を目安に市内小学生向け環境や出前講座等のサポートを開始します。
※検定制作はまず初級から取り組み、問題の作成とPR方法を考えていきます。
② 取材、情報発信
❶ 体験、取材した内容をSNSで投稿 (⇦投稿内容がそのまま検定の問題になるのもOK!)
❷ 鹿島の自然の魅力を伝える動画 (10分程度) の制作
❸ 干潟の生き物や水生生物の紹介動画や冊子の作成
❹ 市内小学生向けの環境教育のサポート
※動画は専門的な撮影や編集は求めていません。(スライドや簡単な動画)
※使用するSNSについてはご相談させていただきます。
地元の子どもたちによる水生生物調査。水生昆虫を探しています。
干潟の見晴らし台案内図。双眼鏡から見える景色は、ぜひ現地でお試しください。
活動のイメージ
1日の流れ(イメージ)
8時30分~9時00分 市役所に出勤、朝礼
9時00分〜12時00分 環境教育プログラムサポート、保護猫活動サポート
13時00分~15時30分 SNS投稿内容作成、SNS投稿、ネイチャー検定作成または学習
15時30分〜16時30分 事務作業、退勤
1週間の流れ(イメージ)
(月曜日)担当課MTG、学習
(火曜日)環境教育や保護猫活動のサポート (週2回程度)
(水曜日)検定の問題作成、関係団体訪問、学習、Instagram投稿
(木曜日)環境教育や保護猫活動のサポート (週2回程度)
(金曜日)検定の問題作成、関係団体訪問、学習、Instagram投稿
(土曜日)休み
(日曜日)休み
※土日祝のイベント対応あり。その場合、他の曜日に休みを振替相談させていただきます。
3年間の活動イメージ
(1年目前半)鹿島市の自然を知る、関係者との信頼づくり
週3日:環境教育や保護猫活動サポート、関係団体会議参加、市役所MTG
週2日:検定業務⇨検定の仕組みづくり、問題作成、SNS取材投稿など
(1年目後半)初級検定
週2日:環境教育、保護猫活動のサポート、関係団体会議参加、市役所MTG
週3日:初級問題作成 (年度内の発行を目指す) 、SNS投稿
(2年目)中級検定
週2日:環境教育、保護猫活動のサポート、関係団体会議参加、市役所MTG
週3日:初級合格者対応 (採点、受検者リスト作成など) 、中級問題作成、年度内の中級試験実施
※自主企画イベント、定住活動も検討 (要相談)。
(3年目)上級検定
週1日:環境教育活動のサポート、関係団体会議参加、市役所MTG
週4日:合格者対応、上級問題作成、年度内 (9月頃) の上・中級試験実施
※自主企画イベント、定住活動も検討 (要相談)。
※いずれも状況に応じて協議しながら、より具体的な内容を決定していきたいと考えています。
◯ 3年間で向上する能力、キャリアにつながる経験は?
・海や自然、特に干潟という特殊な環境に対する知識と経験
・地域活性化に関わる広報活動、魅力化の経験
・コミュニケーション能力、協働する力
・鹿島市での人脈の広がり など
こんな人に来てほしい
求める人物像
・自然と触れ合うことが好きな方
・ 情報発信 (魅力発信) に挑戦できる方
・ 人と触れ合うことが好きで、明るく楽しく取り組んでいただける方
・ 地域の自然を守る方々と楽しく交流できる方
・ 様々な体験、取材を行っていく体力のある方
必須スキル
・ パソコンの基本的な操作 (オフィスソフト、SNSの投稿など)
・ 最低限の書類作成スキル (報告書や企画書など)
・ 普通自動車免許(AT限定可)
歓迎スキル
・自然科学系に関する知識
・ 写真や動画の撮影、編集経験がある
・ SNSでの情報発信に慣れている
・ デザイン能力 (見た目も楽しく!)
・ ユーモア (内容も楽しい検定に!)
雇用条件
| 勤務地(デスクがある場所、活動地域) | 基本、鹿島市役所(ラムサール条約推進室)で朝礼を行う。 活動内容によって、環境教育プログラム実施先やフィールドワークを行う場所で勤務 |
|---|---|
| 雇用形態 | 会計年度任用職員(パートタイム) |
| 募集人数 | 1 |
| 報酬 | 月額20万9,923円 (別途、期末手当と家賃補助の支給あり) |
| 勤務日数(勤務時間) | 1日当たり7時間勤務:午前8時30分~午後4時30分(休憩は正午~午後1時) 週5日:月曜日~金曜日 を基本とします。 ※活動内容により休日や時間外勤務もあります。 |
| 副業 | 可 |
| 車 | 活動用の専用車なし(公用車あり) |
| 住宅 |
着任後に賃貸借契約を締結予定 |
| 待遇・福利厚生 | (1)社会保険(共済組合、厚生年金)、雇用保険に加入します。 ※自己負担があります。 (2)年次有給休暇は、市の規定に準じます。 (3)活動に使用するパソコン等は、市が貸与します。 (4)活動に使用する車両は、公用車を使用することができます。 ※ただし、活動以外での使用はできません。 (5)活動に必要な消耗品等は、予算の範囲内で市が提供します。 (6)研修への参加に係る旅費及び負担金は、予算の範囲内で市が負担します。 |
| 審査方法 | ①第一次選考(書類選考) 選考結果は、合格者にのみ通知します。通知は、1月下旬頃に郵送で予定しております。 ②第二次選考(現地面接) 2月10日(火)〜2月12日(木) 第一次選考合格者を対象に、鹿島市役所にて面接を行います。 なお、第二次選考に係る現地までの交通費は応募者の個人負担となります。 |
退任後に向けて
▽就職パターン
・任期中につながった地元企業への就職
・環境教育事業について会計年度職員などで市への就業
▽起業または個人事業主パターン
佐賀での地域おこし協力隊OBOGは、複数の生業を掛け合わせ独立する方が多い傾向です。
・ネイチャー検定(仮)を修学旅行や体験プログラムの一環として位置づけ収益化を図る など
鹿島市はこんなところ
\ 伝統でつながる、まつりごとの町 /
佐賀県鹿島市の特徴には、
・有明海の広大な干潟 (海苔、牡蠣、カニ、ムツゴロウなど、さまざまな海産品)
・干潟由来の肥沃な土と、山間地の地勢を活かした農作物 (米、みかんなど)
・九州屈指の酒どころ (鹿島酒蔵ツーリズムなどが観光客に人気)
・祐徳稲荷神社の初詣や例大祭をはじめ大小さまざまのお祭りが地区単位で続き結束が固い
などがあります。美しい海、平野、山の景色。そして支えあい助けあう人と人。地域移住に夢見た条件の、多くが手に入りそうな地域です。
\ 移住者の受け入れについて /
車で、佐賀市まで50分。長崎市まで60分。博多まで80分。大きな都市までのロケーションも不便がなく、ほどよい田舎として住みやすい地域です。
近年は、重要伝統的建造物群保存地区に指定された「浜宿の酒蔵通り」を中心に移住者同士が集まるコミュニティが形成されており、新参の「移住者」にも住みやすそうです。
祐徳稲荷神社の門前で開催される春まつり。鹿島では色々なおまつりが各所で行われます。
担当者より
シオマネキ部長こと田中 (写真中央)
私は小さい頃から鹿島に住んでいますが珍しい生き物、綺麗な景色は昔から変わりません。誰かが守ってきてくれたんですね。これから鹿島市で育つ子どもたちも、虫を取ったり、魚を釣ったり、自然の中での遊びに興味を持つきっかけとして、検定があるといいなと思います。
クロツラヘラサギ研究員こと諸隈 (写真左)
山と川と海がある、自然が豊かな鹿島市ですが、ずっとここに住んでいる私たちが見過ごしている感動や驚きがまだいっぱいあると思います。検定の問題作成、という活動を通して、地域の外から来てくださるあなたが、どんな魅力を発見してくださるか楽しみです。
ワラスボ研究員こと室井 (写真右)
実は私も、福岡からの移住者です。近い地域ですがやはり違う地域。鹿島の自然は鹿島にしかないもので、今でも新しい驚き、感動することが多々あります。これから協力隊になるあなたにもぜひ鹿島市の自然環境を楽しんでいただければと思っております。